2011年1月12日水曜日

2001年8月18日の琴ヶ浜

 琴ヶ浜のひと夏
 
 鳴り砂調査のために琴ヶ浜で一夜を明かした

降注ぐ星空、何十年かぶりに天の川をみた

大きな時間の流れが、わたしの周りに一瞬のうちに走るのを感じる

おんぶされる程の子供の頃だった

夏の夜、庭先で父の背中から天の川を見たことを懷いだす

白銀の星の川、楽しい夏の夜であった

その性であろうか、いつも夜空を見上げるようになった

 八月十六日の夜は、三日続きの盆踊りも終わって

琴ヶ浜は静かになっていた

でも、まだ盆踊りの舞台は浜に立ち

提灯の朱色の明かりが遠くに小さく揺れていた

太鼓の音が、静かな波の音に交じって

魂にお礼を言うかのように遠くで鳴り響いていた

 北斗七星とカシオペア座は、私に夏の空を楽しませてくれた

遅くなって、オリオン座が東の空低くに顔を出す

一つ星が、薄い羽衣を着た三日月に寄り添い

優しく語り合っているかのように、曙の空に浮かんできた

2001.8.18,YS