2012年12月21日金曜日

箸材料と人との橋渡し

 世間話しで箸の話しをする,興味ある方に作った箸をさし上げるなどしているとまたその情報が返ってくるから楽しい。

 10月22日の日経新聞の切り抜きを持ってきてくださりその中には箸作りを楽しんでいる人の話が出ていた。昨年話していたとき真竹を約束していたら,先日伐る時期になったのでもらってきたと大きな真竹をもらった(駐車場の脇に置いてあった)。庭に植わっていた木を伐ったのでと,ブラシノキ(花槙=はなまき)という木を持ってきてくれた。また,今日は,黒柿の端材をもらっていた方にそれで作った箸をお礼に上げていたが今度は紫檀の端材が出たのでと近所の友人が預かってきてくれた。近所の仏像を作っている方から榧の端材が出たのでと榧をいただいた。榧は香りが強いが緻密で奇麗な木肌をしている。

 ブラシノキは水に沈み重たい。10年の年輪で直径は5cmほどである。1m程であったが,皮を剥ぐと長く連なり引っ張ってみても切れそうにない。細くして縄にしてみたところ非常に強い紐ができた。麻に負けないほどである。

 2週間ほど水にしたしてレンジで乾燥して箸にしてみた。非常に堅く,細く作っても曲がりにくい。白っぽい木肌で光沢があり良い箸になった。
 まだ少し木があるのが生木であるので家の前の川に紐を付けて晒している。川は浅いがいつもきれいな水が流れている。雨が降ってもそんなに増えず濁りもすぐに治まる川である。滅多に手に入らないブラシノキである。




 今年は,通算1,964膳で箸作りは終わりそうで逢う。