2011年1月22日土曜日

一年計砂時計 1991年のスタート




砂暦

1991年のスタート 一般公開は3月3日
いろいろと準備をしている関係者。

砂時計は頂点から
フロアー面で
13.55m(実測)の頭上に位置している。 

2011年1月21日金曜日

仁摩中学校の環境学習/仁摩サンドミュージアム




平成18年度 環境教育(仁摩サンドミュージアムにて)
 仁摩中学1年生
 
鳴り砂の特徴


2007年2月8日
仁摩サンドミュージアム:志波靖麿
【1】砂
1.砂という字の意味

 ”すな”は、川や海どのようなところにありますか。沙漠、、、。沙という漢字!?
2.砂の大きさ
 砂というのは,大きさで決められています(右の表)。
3.砂の性質-1
 (1)さらさらして、積んでいくと山になる。
    山の形,高さなど何によって変わるのだろうか
 (2)すき間まが多い。どんなことが考えられるか
 (3)海の砂や山の砂、川の砂を比較してみよう。
    混っているもの,粒の形,大きさの割合
 (4)孔から流れ出る速さは、砂の量にかかわらず一定である。水はどうだろうか?
4.砂の性質-2
 砂を円盤や三角形の板に積んだら、どんな形になりますか?。館内展示の「砂が教える幾何学」で体験を!。

【2】鳴り砂
1.「鳴り砂」と「鳴き砂」という言葉
  琴ヶ浜を歩くと、足もとから、キュッキュッと音が響いてくる。砂浜の砂が足で踏まれ動されたからです。砂浜の砂は、他の力が加わらないかぎり、そのままでは音はでません。鳴き砂という言葉ことばを使つかうと、これは砂が動かなくても、自分から音が響いてくるという意味になります。それではおかしいですね。お寺の鐘は和尚さんが鳴らしている。小鳥は小鳥の気持ちで鳴いている。だから、鐘が鳴る、小鳥は鳴く、というように使います。鐘が鳴く,小鳥が鳴るなどとは使いません。「琴ヶ浜の砂浜は鳴り砂の浜です」と、使うのが自然です。
2.音の出るしくみ
 砂がお互いに磨れあい、砂がいっせいに振動し,砂の周囲の空気にその振動が伝わって音として聞こえてきます。
3.鳴り砂と普通の砂
 鳴り砂は、
  ⑴強く動とめずらしい音がでる。
    その音は、キュッという音で、規則正しい波形をし,普通の砂は、サクッという音で,不規則な波形。
  ⑵山に積だとき、普通の砂に比べ高い山になる。
  ⑶砂の大きさが大体そろっている。
  ⑷砂の表面はきれい。
4. 鳴り砂と環境
  海や浜が汚れると、砂の表面に汚れが付き鳴らなくなります。鳴り砂は環境の変化に敏感です。
5. 日本各地の鳴り砂や太鼓浜
 日本の鳴り砂は、日本各地に発見されてきています。調査結果では、現在194ヶ所(2006.8.7)あったことが分わかっています(志波)。現在どれだけの砂浜が鳴るのだろうか?きっと、100ヶ所ほどはあるでしょう。
 仁摩町:琴ヶ浜、ひろでん、坂灘、野浦浜、大津辺
 温泉津町:小湯戸、都合浜、ひつて、近浦浜、青浦浜、    
      ふるがし、祠西、たぼ島、犬ヶ浜
 太鼓浜:砂浜をコブシでたたくと太鼓の音がする浜
   
6. 琴ヶ浜の鳴り砂
 ⑴浜でよく鳴るところはどんなところであろうか
   ① 浜に流れ込こんでいる川の側の砂はどうかな。
   ② 海水浴やお祭りをする場所、人がたくさん集る場所などはどうかな。
   ③ 春夏秋冬の違いはあるのだろうか。
 ⑵琴ヶ浜のゴミを観察しよう。琴ヶ浜に行ったら、次のようなことを観察しよう。
   ①場所 ②ごみの種類 ③ゴミの並び方かた・・・これらの違により鳴り方はどうだろうか。





【3】ものごとの何にでも興味を持とう
  ・いろいろなものに興味を持つことで、知恵が増ふえてくる。興味を持つことで、自分で考えるようになり(人
   に聞くということも自分で考えることである)、ものごとを正しく判断できるようになっていく。そして、人と   の話が楽しくなる。
  ・おもわぬ出会いがあるとうれしい。知らなかったことがわかると楽しい。モシカ袋をもっておく。疑問は持ち   続ける。続けていると必ず答えが出る。

 鳴り砂のことは、 
 http://www.f5.dion.ne.jp/~yshiwa/
に詳しく出ています。//

長時間洗浄砂の鳴り砂音特性




【1】はじめに
 砂の洗浄にはもっとも強力であるサイクロイド型洗浄機で大浦珪砂を4000時間洗浄した砂である。砂は、JIS規格の4号砂、5号砂、6号砂を同じ条件で、同時に洗浄し続けた。いまは詳しい条件は忘れているが(データはどこかのファイルに入っている)、粒子にかかる遠心力は、10g(重力の10倍)近くは出ている。容器と砂の相対運動距離は、計算によると6万キロメートルになる。
 そのようにして洗浄された砂は、素晴らしい光沢に仕上がっている。形も丸くなり、表面の凹凸は無くなってしまっている。洗浄は、5kg程を仕込んで洗浄したが、10年前に大半を捨ててその一部を保存していた砂が出てきた。
 お湯でよく洗って、ポリ容器に水とともに入れて振るとよく鳴る。その実験データは、波形解析されている。
 鳴り砂の粒度による音の違いを検討したいと思い、その一部を乾燥した。簡単に容器内で砂を洗い、上水を切って、容器内からコピー用紙の上に取りだし、自然乾燥した。水が切れなくて、なかなか乾燥しなかった。乾燥した後は、粒子同志の凝集塊が生じた。この塊は、琴ヶ浜の砂の表面が乾燥して硬くなるような状況に似ている。
 そのようにして乾燥した3種類の粒度の砂を、ガラスポットで鳴らして、音の周波数解析をした。
 その結果、4号砂は鳴り砂という状況ではなかった。波形も、鳴り砂の特徴を示さなかった。粒度は、顕微鏡下でみると、1mmを越えている粗いものである。これまでこのような粗い砂は鳴っていなく、鳴り砂としては、粒度的には粗すぎるとされていた。これもその状態であると判断した。5号砂も、あまり感触がよくない。
 きれいな砂の表面を、ふとガラスの表面と思い照らしていた。ガラス窓を拭くのに水が残っていてそのまま乾燥してしまったら、水垢が窓の表面に析出して汚くなる。このことは間違いない経験である。それならば鳴り砂の乾燥の場合も同じ現象が起こっているはずである。それをなくすには、まずはきれいな水を使うこと。次に、水分の乾燥に際して、水分はできるだけ除去しておくことである。ここでまず実行できることは、できるだけ水を切ることであった。それではどうするか考えた。ディスクにはティッシュがあった。コピー用紙は水を吸う力がないことは解っていた。ティッシュだけではディスクの上に置いたとき、水浸しになる。その下に新聞紙を敷くことにした。

【2】乾燥開始
 早速、実行。結果は良かった。砂の層に含まれている自由水分は、すぐにティッシュに吸い込まれ、さらに新聞紙に吸い込まれていった。砂の層は、見る見る真に自由水が無くなっていった。しばらくして砂層の表面が白くなって乾燥している様子がわかった。最初に乾燥したコピー用紙の時とは格段に速く乾燥した。
 期待が膨らんだ。早速、4号砂から、鳴らしてみた。感触がよかった。私の心は時めいた。早速解析しようとコンピュータを作動したところ、サウンドエディットが立ち上がらなかった。どうしてもだめで、時間が過ぎていった。10時を過ぎてしまい、明日の中学生の話での砂時計を作るには時間がたらなくなってきて、明日2/17に延ばすことにした。
【3】音の解析と考察
・チリシ乾燥品の方が鳴りの感触が良いことが分かった。これは最初の考察の通り、水のなかの溶解成分が、その乾燥の際に凝縮・析出し、付着したためであると思われる。水分をできるだけ取り除いておくことがいかに大切であるかが分かる。さらに、使う水の性状が大切であることも分かる。


※ ティッシュ乾燥砂をガラス容器で鳴らしていくと、静電気が発生していると思われる現象が観察された。容器の内側や突き棒の周囲に砂が付着してくる。感覚であるが、スタートよりも何回がついた後の方が鳴りの感触が良いようである。もう少し実験が必要である。この実験は慎重に進めること。というのは、このような洗浄砂は、二度とできないであろうから。そして手持ちの砂も少ない。

・こんなにきれいな砂であるのに、一般的に言われている、周波数が低い砂ほどきれいなものであるという定説に反することになる。
たとえば6号砂の音解析では、きれいな規則正しい波形をして、その周波数は1,355Hzである。今までの砂で、1,355Hzほどの音を出した鳴り砂には遭遇したことがない。

・粒度の影響は、ここではその傾向がつかめない。今まででは、粒度が小さくなると、周波数は高くなる傾向にある。鳴らし方の影響が大きいと思われるので現状ではここでは議論できない。

・貫入スピードの影響は、速いと周波数が高くなっていることは、これまでの実験と逆である。ただし4号珪砂の場合のチリシ砂では逆転しているが、これは速くても遅くてもその速度があまり変わらないからだと思われる。この砂は、少し強くつかないと鳴りにくいということがその原因であると思われる。


全国の鳴り砂浜数の一覧


琴ヶ浜の24時間

琴ヶ浜にテンとを張り、1時間おきに鳴り砂の音の調査を行い、興味ある結果を得た。その報告である。

2001.8.16/17
































一年計砂時計と砂時計の時間

20日川崎市計量協会の初春講演会で、タイトルの表題で講演しました。

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川崎市計量協会初春講演会
平成23120
講演者:(元)仁摩サンドミュージアム客員研究員
志波靖麿


一年計砂時計と砂時計の時間

1.    なぜ一年計砂時計を
島根県大田市(旧邇摩郡)仁摩町仁万。仁摩町は〜。
1987年竹下登内閣のふるさと創生事業の1億円。
1991(平成3)年11日零時スタート。
仁摩サンドミュージアムとして平成333日オープン
床から13.55mの頭上にある。リングに挟まれ大晦日に180°
回転され新年を迎える。

 ※このアングルでは見れません。梁に登って撮った角度です
建物サイズと砂時計の配置

2.    大きな砂時計
一般的な市販砂時計は1分、3分、5分、10分計などですが〜
(1)      仙台1週間計 仙台市役所。鳥取砂丘と仙台湾121kg
(2)の実験機として作られた。
(2)      仙台市 仙台市制100周年1989年、80日計
    ゴビ砂漠1,200kg
(3)      ミー・ジェーン 1999.4.2新宿東口アルタビル
    9時間計、10リットル茄子型
(4)      大阪駅 2003.4.23。アクティ大阪の開業記念。
    1時間計自動回転。2010.11撤去
(5)      マインツ
旧西ドイツ。ショット社創立100年周年記念。自動回転
(6)      韓国江陵市
21
世紀に向けた観光イベント。8トン砂、リング直径8.03m、幅3.2m、1年計。
(7)      10時間計。実験装置。仁摩サンドミュージアムに展示。稼働中。
(8)      9時間計。実験装置。仁摩サンドミュージアムに展示。
(9)      その他9時間計など自立型

3.    時間と時刻
  ・時間:時と時の間。まさしく砂時計の時間
  ・時刻:そのとき。日時計、天体の動き

鳴らない砂の音波形(上)と
その音のスペクトル

不規則の波形で、スペクトルは多くの
音が出ていることを示している。
4.    一年計砂時計のコンセプト
琴ヶ浜の鳴り砂の保護。








鳴り砂とは
  −1)性質

a. 
成分:自然界では石英質に富んだ砂。
b. 粒子径:平均径で250ミクロン〜340ミクロン程度
c. 粒度分布:d75/d25=0.70~0.85
研磨材——56#=0.84  1200#=0.73
d. 粒子形状:角が丸みを帯びまたは全体的に丸みがある。
e. 音の波形:(鳴らない砂と鳴り砂の相違)
f. 汚染:油など、微塵など
  −2)全国の鳴り砂
   日本では海岸線に201カ所存在するが、鳴らなくなった浜もある。鳴る浜は150カ所ほど。
  −3)どんなところに存在するか
   湾岸で砂の出入りのない浜。海底の地形の砂を逃がさない構造である必要がある。
鳴り砂の音波形(上)と
その音のスペクトル

規則的な波形で、倍音構造のスペクトルである。
鳴り砂の特徴である。
  −4)沙漠にも存在する
   中国敦煌の鳴沙山が有名である。乾式表面研磨で、海浜砂に比べて非常に丸みを帯びている。
5.    一年計砂時計の研究
(1)   
理論値−>1365日、で1トン。114.155g/hr。閏年は?

(2)   砂の選定:孔と砂直径の関係
・孔径>6×粒子径、砂の表面状態で変わる。
(3)   ノズル(蜂の腰)の決定
・孔の形状:I型、H型、C型、X
・上下の形状精度
(4)   完璧な閉塞しない砂つくり
・粒度の精製:篩網の選定(網目サイズのばらつきの少ない網)
・砂の流動性:粒子形状
・異物ゼロ:粗大粒子、木屑、塵・・・

・砂および砂時計内の湿度

(5)   時間精度の研究
・粒度分布:偏析流

・湿度や気圧、温度変化

6.    砂の流れ
    (1)粉体層高は影響するか?
(2)密閉容器の影響
(3)砂の表面
  ・表面の微粒子:コロの役目。しかし埃となる!

  ・摩擦係数の影響:砂の洗浄について 良く洗いたい、しかし〜
一年計砂時計の容器の形状と寸法
旧西ドイツのショット社製である
7.    一年計の流れ:圧力制御。
・自然状態では、流れは不安定
   砂時計内部の空気の膨張収縮が激しい

・館内冷暖房フードからの、ON/OFFによる風圧の影響
・入館者の出入りによるドアー開閉による管内圧力の変動
8.    一年計の時間誤差
・平成3年(1991年)から、自然な流れ(自動制御を含む)での
             正確な一年計落下時間は取れていない。新幹線が東京から博多
    まで走るのに途中雨などで遅れた際、マニュアル制動で時間調
   整すると同じように時間調整をしている。
 
質問
1)精度は?
 ・自動制御しているが、20年間正確な一年で終わっていない。途中で流量調整をしている。1ヶ月も速く落ちそうになったときがあった。当初は途中で止まってしまった年が何度か続きました。


2)粉体工学の学問はどんな状況にあるのでしょうか?
 ・まだ経験工学が多きのではないでしょうか。


3)3分計など小さな砂と計も温度の影響はあるのでしょうか?
 ・あると思います。それはストップウォッチを押タイミングの誤差程度かも知れません。1分計で+/-1秒で作っているそうです。砂鉄を使うと10分計などでも精度良くなります。手作りですので上下方向の差もでてきますね。


4)砂はどんな砂ですか?
 ・工業用鋳物砂を水で洗浄して粒度調整・精製したものです。非常に揃った形状をしています。(お回しした写真の通りです)


5)鳴り砂は全国でどれくらいあるんですか?
 ・201ヶ所が文献の情報を含めてあります。その内鳴らなくなった浜が60ヶ所ほどはあるでしょう。


6)日本全国を行脚しています。その地図を頂けませんか?
 ・どうぞ。新しいところが発見されましたらその情報を頂けるとうれしいです。
   ===>はい、協会の方にご報告します。









※ 砂とは2mm~0.075mm
冷蔵庫などに置いて温度平衡
になるまで待って時間を計った。

温度が低いとなぜ速く流れる?
 この下限サイズからそろそろ流動性が悪くなる。砂とは俗に、サラサラ流れるものであると云う。大きくなるとゴロゴロ、細かくなるとボソボソと云う感覚である。



以上