2012年3月19日月曜日

木材の組織変化の考察

 木はそれぞれの特徴を持っていることは誰でもが知っている.竹、杉、檜、欅、桐などなどどれがいいというわけでもなく性質が違っていて使い道も違う.箸を作っていると軽いもの曲がりやすいもの先が潰れやすいもの〜〜

 箸を作るにはまず乾燥をしなければならないが、その程度はどこまで乾燥すればいいのかである.十分に乾燥したと思って箸にするとものによっては曲がってくるものもある.水分を吸収するからであろうとワックスを浸み込ませたり、漆を掛けたりするも次第に曲がりが出るものがある.
 
そんなとき、刃物の焼き入れのことを思い出した.

「そうだ、木にも焼き入れなるものを施したらどうであろうか?炭になったものは堅く曲がることはないはずである.しかし、炭になっては使い物にならない.では炭化する前まで乾燥?焼き入れしたらいいのではないかと考える」

 ちょっと実験をしてみた.

1)電子レンジで少しづつ乾燥していく.その過程は重量変化を計測する.
同様に
2)ホットプレートを使って乾燥していく.

 手持ちの桜の木でやってみた.
1)電子レンジは、内部からの乾燥方式であり、いつの間にか内部が炭化してしまっていることがあった.使いづらい!
2)ホットプレートは、大量に処理できしかも温度コントロールができるので急激な炭化が起こりにくい(ようである).
 温度も105℃くらいになるように調整した.

 水蒸気がスタート時はたくさん出てきて乾燥が始まった.その蒸気発生もなくなって重量変化も少なくなりその時点を終了とした.

 削ってみた.少し乾燥しすぎたようで、木の粘りが無くなってしまったようである.強度が落ちたかと思われるが、ここまでになれば曲がりはでにくいかもしれない.
オスモカラーでワックス掛けした.どんな箸になったか楽しみである.2012/03/19〜.

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乾燥条件

  • 温度
  • 温度のキープ時間
  • 水蒸気を抜く頻度
  • それぞれの材質による条件
木の変化
  • 乾燥していく過程で木の組織はどのような変化をしているのであろうか.水分が蒸発しているかのようであるが実際は水は勿論蒸発しているが木特有の成分が蒸発したりまた水の蒸発でその成分が木内に取り残され固形化しているかもしれない.それが木の組織を固定化しさらなる温度の加温により弾力性がなくなり堅くなっていくのかもしれない、いわゆる「焼き入れ」が起こってくる.さらに組織が固定化して再度の水分吸収があっても木質の変化がなくなり曲がりという現象がきえるかもしれない.