2011年2月9日水曜日

琴ヶ浜の砂のルーツ(島根県)

鳴り砂の研究
〜琴ヶ浜の砂はどこから来たのであろうか?〜
*ルーツ(2)も参照*
琴ヶ浜で鳴り砂を楽しんでいる観光客
この風景はパソコンの画面にしています。


 この問題を考える前に、琴ヶ浜の鳴り砂はどうしてこんなによく鳴るのであろうかという問題を考えると少しルーツについての考察ができる。



 いい鳴り砂は、光沢があり非常に丸みのあるのが特徴である。実験室的に鳴り砂を作るには、細かく粉砕された石英砂を長時間洗浄すると、砂の形は大きくは変化しないが、砂のエッジが少し丸みを帯びて、光沢が出始める。琴ヶ浜の様な全体的に丸みのある砂にする実は、きっと何万時間という洗浄を続けなければならないであろう。この実験で数時間で砂の一部を入換えたとしたら、新しく入れられた砂の形はエッジがあり、その容器の砂を観れば、混ざった形の砂と観えるであろう。
 琴ヶ浜の砂ができたとき、形状がどのようになっていたかは分からないが、全体が丸くかつ光沢がある砂になるには、地球規模の時間が必要であると考えられる。実験での考察のように、もし、琴ヶ浜に今もなお新しく砂の供給が起こっているななば、今のような丸い光沢のある均一な砂にはならないと思われる。
 したがって、琴ヶ浜の砂は、琴ヶ浜の地形が形成され安定した地形になったときから、できていて今に来ていると考えられる。琴ヶ浜の砂は、新しく供給もされず、どこかへ流出してしまっていることもないと考えることが、こうしてきれいな砂、素晴らしい鳴り砂ができている理由である。
 黒瀬石屋さんとこの問題について話をしていた(9/9)。「志波さんこの辺には堅い砂となる石はないけんね。」「・・・」「砂はどこから来たんでしょうかね?」”この辺に砂となるような硬い石はない”という言葉が非常に気になった。なるほど、そういう目で見ると、琴ヶ浜の砂は、山の方から供給されたとは考えられない。
 海の方からの供給はどうだろうかという見方もある。しかし、琴ヶ浜の海底の砂をサンプリングしてみると、沖にいくにしたがって砂は細かくなり形も成分的にも、浜の砂とは違ってきていることを考えると、海の方から供給されているとは考えにくい。
 この二つの考察から、琴ヶ浜の砂は、琴ヶ浜の地形が形成された時代からの砂であると考えることができる。
 では、この砂はどうしてできたのだろか?という問題は残ってしまう。

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