2011年3月18日金曜日

琴ヶ浜の砂はどこから(2)



琴が浜の海底の砂をサンプリング

琴ヶ浜の海底砂のサンプリング位置
〜琴ヶ浜の砂はどこから(1)につづいて〜

 琴が浜の砂が海側からきているとする説があり、砂の動きを考えると一理あると思われる。図のような位置で、海底の砂のサンプルが採取できた。
 その写真を上図に示したが、琴が浜の沖にいくにしたがって、
(1)粒子は細かくなり
(2)粒子の形がイレギュラーに
なってきていることがわかる。
 このことは、琴が浜の砂は、海側から流れ込んできているとは考えにくい。もし、海側からだとすると、理論的に考えて、沖の方が荒いはずである。結果は明らかに逆である。
 琴が浜の砂は、
(1)陸側から来たと考えることが
(2)琴が浜の砂は、沖へ流れ出ているというこも無い。
 現在の琴が浜の砂は、ここに砂ができた太古の昔からの砂であると考えられる。
 このような仮定をすると、琴が浜の砂が、こんなにも美しい光沢を帯び、そして良い鳴り砂になっていることの説明がつく。
 もし砂の出入りがあるとするならば、折角洗浄されたものが隣の浜に移動してしまい、そして供給が無ければ砂は無くなるであろう。もし、浜に新しい砂の供給があるなら、たとえば、言われているような江の川から今も流れ込んでいるならば波の洗浄力で磨かれるには時間が短すぎるであろう。そして鳴り砂になることは無いであろう
 このことは、人工鳴り砂洗浄実験を考えても理解できる。短時間の砂の洗浄では人工鳴り砂はできない。次々に新しい砂を追加することはしない。最初の砂を長時間洗浄し続け、長時間同じ砂を摩擦洗浄し続けなければならない。砂が無くなったからといって、新しい砂を追加してはいけない。
 もう一つの例を示そう。わたしは、鶏の砂嚢を考えた。砂嚢を調査するまでは、きっと砂嚢に入っている砂は、丸々しているのではないかと、砂嚢の中の砂を観てみたくて仕方がなかった。そのことを昨年実現できた-大田市、(有)中外食品にお邪魔して、砂嚢をその場で解体させてもらったが、実際は、角張った砂(貝殻)がたくさん入っていた。逆に円みのある砂は少なかったのである。これは考えればすぐにわかることである。歳取った鶏はきっと砂嚢の中の砂はすり減っているだろうと期待が膨らんだが、その鶏でさえ、胃袋に入って
http://www.f5.dion.ne.jp/.yshiwa/singigsand/kotogahamaseabottom/kotogahamaseabottom.htm (2/4) [2003/04/09 20:06:32]
いる砂粒は、殺される数時間前に食べた餌の中の砂が入っているのである。これでは円みのある砂になるはずはない。
 琴が浜の砂は、鶏の砂嚢の中の砂の考え方と逆である。まさしく海は大きな洗浄装置なのである。その砂は太古の時からそこにあり、洗浄されていると考えてたら琴が浜の鳴り砂の素晴らしさが理解できるではないか。これが琴ヶ浜の鳴り砂が素晴らしい音を発しているという理解のための私の結論である。
 琴が浜の砂は、何万年もの昔からのもので、その頃から今日まで絶え間なく海の波の運動で洗い続けられてきているといえる。そしてこれからも永遠に洗い続けられるであろう。
 砂浜の幅が狭くなったとか広くなったということがいわれるが、そのことが事実ならば、海底の砂の位置がこの浜の範囲内で移動しているだけだと推測される。人口リーフで浜が狭くなることはあるにしても、砂が琴の砂が、浜全体として無くなるということも考えられない。
 砂の写真を見てわかるように、沖にいくにしたがって粒子の形が角張ってきている。このことは砂の動きが弱いことと、砂同士の接触がほとんど無く、擦れ合っていないことを意味し、砂の動きも小さいと考えられる。海底では鳴り砂になる洗浄効果は無いのである。
 この結果から、砂の摩擦洗浄は、波打ち際の砂の動きによってのみ行われている、と結論つけられる。
 湿式の粉砕を考えた場合、どろどろのスラリーで粉砕すると、粒子同志の接触回数が増え、粒子の表面が丸みを帯びてくるという研究結果を得ている。これはラッピング用研磨材をつくる場合の重要なノウハウである。自然の鳴り砂は、このような機構で擦れ合うことにより、堅い石英粒子に豊み、表面の異物が除去されていき、光沢のある砂粒へと変っていく。
 これが鳴り砂の生成のメカニズムである。

 あの寄せては返す波
愛は永遠にという言葉があるが
浜の砂のように絶え間なく擦れ合ってこそ
素晴らしい愛が交合い成長するのであろうと思えてくる
愛は、絶え間ない波の動きのように生き続け
そこに鳴り砂の砂のように光輝く愛があってこそ、永遠なのである
お互いが丸くなり、相手を理解し許し合える間になってこそ
そこにほんとうの愛がある
 
http://www.f5.dion.ne.jp/.yshiwa/singigsand/kotogahamaseabottom/kotogahamaseabottom.htm (3/4) [2003/04/09 20:06:32]

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