2011年1月21日金曜日

長時間洗浄砂の鳴り砂音特性




【1】はじめに
 砂の洗浄にはもっとも強力であるサイクロイド型洗浄機で大浦珪砂を4000時間洗浄した砂である。砂は、JIS規格の4号砂、5号砂、6号砂を同じ条件で、同時に洗浄し続けた。いまは詳しい条件は忘れているが(データはどこかのファイルに入っている)、粒子にかかる遠心力は、10g(重力の10倍)近くは出ている。容器と砂の相対運動距離は、計算によると6万キロメートルになる。
 そのようにして洗浄された砂は、素晴らしい光沢に仕上がっている。形も丸くなり、表面の凹凸は無くなってしまっている。洗浄は、5kg程を仕込んで洗浄したが、10年前に大半を捨ててその一部を保存していた砂が出てきた。
 お湯でよく洗って、ポリ容器に水とともに入れて振るとよく鳴る。その実験データは、波形解析されている。
 鳴り砂の粒度による音の違いを検討したいと思い、その一部を乾燥した。簡単に容器内で砂を洗い、上水を切って、容器内からコピー用紙の上に取りだし、自然乾燥した。水が切れなくて、なかなか乾燥しなかった。乾燥した後は、粒子同志の凝集塊が生じた。この塊は、琴ヶ浜の砂の表面が乾燥して硬くなるような状況に似ている。
 そのようにして乾燥した3種類の粒度の砂を、ガラスポットで鳴らして、音の周波数解析をした。
 その結果、4号砂は鳴り砂という状況ではなかった。波形も、鳴り砂の特徴を示さなかった。粒度は、顕微鏡下でみると、1mmを越えている粗いものである。これまでこのような粗い砂は鳴っていなく、鳴り砂としては、粒度的には粗すぎるとされていた。これもその状態であると判断した。5号砂も、あまり感触がよくない。
 きれいな砂の表面を、ふとガラスの表面と思い照らしていた。ガラス窓を拭くのに水が残っていてそのまま乾燥してしまったら、水垢が窓の表面に析出して汚くなる。このことは間違いない経験である。それならば鳴り砂の乾燥の場合も同じ現象が起こっているはずである。それをなくすには、まずはきれいな水を使うこと。次に、水分の乾燥に際して、水分はできるだけ除去しておくことである。ここでまず実行できることは、できるだけ水を切ることであった。それではどうするか考えた。ディスクにはティッシュがあった。コピー用紙は水を吸う力がないことは解っていた。ティッシュだけではディスクの上に置いたとき、水浸しになる。その下に新聞紙を敷くことにした。

【2】乾燥開始
 早速、実行。結果は良かった。砂の層に含まれている自由水分は、すぐにティッシュに吸い込まれ、さらに新聞紙に吸い込まれていった。砂の層は、見る見る真に自由水が無くなっていった。しばらくして砂層の表面が白くなって乾燥している様子がわかった。最初に乾燥したコピー用紙の時とは格段に速く乾燥した。
 期待が膨らんだ。早速、4号砂から、鳴らしてみた。感触がよかった。私の心は時めいた。早速解析しようとコンピュータを作動したところ、サウンドエディットが立ち上がらなかった。どうしてもだめで、時間が過ぎていった。10時を過ぎてしまい、明日の中学生の話での砂時計を作るには時間がたらなくなってきて、明日2/17に延ばすことにした。
【3】音の解析と考察
・チリシ乾燥品の方が鳴りの感触が良いことが分かった。これは最初の考察の通り、水のなかの溶解成分が、その乾燥の際に凝縮・析出し、付着したためであると思われる。水分をできるだけ取り除いておくことがいかに大切であるかが分かる。さらに、使う水の性状が大切であることも分かる。


※ ティッシュ乾燥砂をガラス容器で鳴らしていくと、静電気が発生していると思われる現象が観察された。容器の内側や突き棒の周囲に砂が付着してくる。感覚であるが、スタートよりも何回がついた後の方が鳴りの感触が良いようである。もう少し実験が必要である。この実験は慎重に進めること。というのは、このような洗浄砂は、二度とできないであろうから。そして手持ちの砂も少ない。

・こんなにきれいな砂であるのに、一般的に言われている、周波数が低い砂ほどきれいなものであるという定説に反することになる。
たとえば6号砂の音解析では、きれいな規則正しい波形をして、その周波数は1,355Hzである。今までの砂で、1,355Hzほどの音を出した鳴り砂には遭遇したことがない。

・粒度の影響は、ここではその傾向がつかめない。今まででは、粒度が小さくなると、周波数は高くなる傾向にある。鳴らし方の影響が大きいと思われるので現状ではここでは議論できない。

・貫入スピードの影響は、速いと周波数が高くなっていることは、これまでの実験と逆である。ただし4号珪砂の場合のチリシ砂では逆転しているが、これは速くても遅くてもその速度があまり変わらないからだと思われる。この砂は、少し強くつかないと鳴りにくいということがその原因であると思われる。


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